ゴルフクラブに限らず形あるものには重心点が存在します。ゴルフクラブの場合、一般に手にする機会があるスポーツ用品と違って、重心位置がシャフト軸線上に存在していないという特殊な構造をしています。
特殊というと難しく捉えてしまうかもしれませんので補足しておきますと、この重心位置だからこそゴルフがゴルフとして成り立つのですから人間の動きを複雑にするものではなく、本来便利な機能、つきつめると無くてはならない構造なんです。その構造を構造通り使うことがより簡単にスウィングを成り立たせ、ボールを目標に運ぶことが現実になるのです。


しかしその便利な機能も使い方によっては敵側にまわる?
機能が発揮されないだけならまだしも、スウィング中邪魔をする足かせ負担する立場に回ってしまうのです。大型ヘッドが苦手(嫌い)、アイアンも小ぶりなものを好む場合は残念ながらこの重心点とは敵対関係にあると言っても間違いないでしょう。
さらに付け加えるとすると、ウェッジのバンスが大きい(多い)タイプを嫌う場合も。

ですからクラブを見せてもらえばよくわかります。この3点は別物のようで共通していて、持っている道具はある意味クラブ扱いそのものです。小ぶりなウッドに同じく小ぶりなアイアン、そしてローバウンスと呼ばれるウェッジ(これも必ず小ぶり)。
小さなヘッドを使うことがあたかも上級者みたいな印象を受けるかもしれませんが、それは逆。機能が邪魔になる使い方(スウィング)だからというのが一番の理由です。

だってそうでしょ。もしそれが打ちやすく自分に合っているというのならそんなに目くじら立てて練習する必要もないですし、その練習も現状維持、もしくはただ当たるかどうかという練習というものですし。(これは練習とは呼ばないと思います。新たなことに向けて取り組むのが練習であって、一端出来るようになったことをなんで繰り返ししなければならないの?)


失礼しました。ここはクラブの項でしたので話を戻します。
この重心位置を知り、その機能を発揮できると出来ないでは単なるプラスマイナスではありません。それは大げさでも冗談でもなく、一生スウィングに悩まされることとなるでしょう。
別に脅かす気はありませんが、便利な機能が付いているのですから、それを使わない手はないでしょ。それともなに?大きな労力を使って勘違いゴルファーを目指しちゃう?それはまぁやりたきゃ勝手にどうぞってとこですけど。

クラブヘッドの重心点は3か所からの距離で表されます。
重心距離・重心深度・重心高さ
それ関係とヘッドとシャフトが繋がっている位置が端っこということから重心角度というものが発生するのですが、これはまた別のところでやりましょう。ここではまず重心点がどこにあるのかということを知っておきましょう。


位置関係は画像から見て取れると思いますので、これらの距離がどのぐらいなのか、最近のモデル平均値で見てみましょう。

<ドライバー>
重心距離:39.0mm
重心深度:37.2mm
重心高1:31.4mm
重心高2:21.4mm

<アイアン(#5)>
重心距離:37.7mm
重心深度:4.4mm
重心高 :18.9mm

ここで重心高については補足しておきます。
この画像ではGH(gravity high)1,2として表記されていますが同じ事。このGH2は有効打点距離とも呼ばれている関係でこの距離が多い方が打ちやすいという印象を受ける場合があるようですが、この距離だけで判断するのは避けた方が無難です。実際クラブを選ぶ場合に注意して頂きたいのは低重心率。特に低重心という言葉には弱いようですので。

ちなみに平均値で見てみるとこの低重心率は約60%ですからほどよい高さだと言えそうです。しかしながら、この数値は平均値ですからモデルによっては極端なものも存在するということも忘れずに。


CF-460HT  Limited Edition

続きまして重心距離ですけども、両者比べますとドライバーよりもアイアンの方が短くなっていることがわかります。この数値は約100モデルの平均値。ですから全国のゴルファーのクラブバックの中身としてみてみます。

多くのゴルファーはドライバーからアイアンそしてパターに至るまで、セットとしての流れを気にしてクラブを選ぶわけではありません。その証拠にセットで買い替えというケースは少なく、ドライバーだけとかウェッジとか、単品で入れ替えとなる場合がほとんどだと思いますが、クラブセットとして意味を成すのは“ひとつのスウィングで距離を打ち分ける”そのための本数であるということは踏まえておいてください。
その上で入れ替えるクラブを選択しなければならないのですが、どうもそうはなっていないというのが現状のようで、それはこの数値からもうかがい知れます。

ドライバーとアイアンの重心距離の差、これはドライバーは大型ヘッドを採用し、アイアンは小ぶりなヘッドを使っているというもの。多分、多いパターンでしょう。アイアンは使い慣れたものを残し、ウッドは流行のクラブを購入する。

一見すると合理的なように思いますが、実はこれがゴルフをスウィングを苦しめる一つの要因なんです。
 
 
 

 
     
 
 
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